外傷のほか先天性の要因でも起こります
犬の骨や関節の病気は、そのほとんどが生活の中の動作で受ける衝撃による外傷に起因するものがほとんどです。
しかしそれらの他にも先天的に骨や関節の一部がもろいために特に何か大きな衝撃を受けたわけではないのに重篤な症状になってしまうこともあります。
さらに高齢になることによって骨が全体的にもろくなってしまったり、骨を支える筋肉が弱くなって関節をうまく支えられなくなってしまうことによって起こったりもします。
飼い主さんは普段から骨折や関節炎に至るような大きな怪我をしないように気をつけてあげるだけでなく、日頃から与える餌にきちんとカルシウムを多く含ませてあげたり、足腰が支えられなくなるほど肥満にならないよう食事管理をしてあげてください。
過度な運動による骨折事例もあります
人間でもスポーツ選手などが練習のしすぎで疲労骨折をしてしまうことがありますが、犬の場合もあまりに激しい運動をさせすぎてしまうことにより骨折や関節炎になってしまうことがあります。
毎日の運動は確かに健康を増進するよいことではあるのですが、例えばコンテストや競技会に出すために毎日~毎週激しい運動をしていたりする場合などには、時に運動が身体に大きな負担をかけることになり知らぬ間に脱臼などを起こしてしまっていることがあります。
ペットとして飼われる犬も全体的に室内飼いが主流になったせいか体質そのものが人間に近くなってきたようで、無理をするとすぐにそうした関節の病気になってしまうケースもあったりします。
もしいつものように散歩に行こうとしても足を引きずるような仕草をしていたり、どこかの足をかばうような偏った動きをしているようなら腰や足を痛めてしまっている可能性があります。
早めに動物病院でレントゲンをとってもらうなど検査をすることをおすすめします。
犬によくある骨と関節の病気
ペットの犬によく見られる骨と関節の病気としては、まず膝の部分のお皿にあたる膝蓋骨がずれて元通りの位置に戻らなくなる「膝蓋骨脱臼」があります。
また太ももとすねの部分をつないでいる骨を守っている前十字靭帯が断裂してしまうという「前十字靭帯断裂」という症状もよくあります。
この2つはいずれも激しい運動をしたり高いところから飛び降りたりする衝撃を足にうけることでよくなる病気です。
それと近年増えてきている症状として犬の「椎間板ヘルニア」もあります。
椎間板ヘルニアの場合には足の関節だけでなく頸部から脊髄をつなぐ間にある椎間板というクッションの役割をする部位が傷つくため、ひどくなると自分の足で歩くことも難しいような状態になります。
犬は痛みを言葉で伝えることはできませんので、つらそうにしていたら無理をさせることなくすぐに治療をうけさせてあげましょう。