股関節形成不全

股関節の先天性異常

股関節形成不全とは、骨盤や太ももの骨を形成する股関節の形が先天的に異常な状態を言います。
ただ形状異常といってもそれには進行具合により分類があり、国際畜犬連盟・動物整形外科基金・英国獣医師協会という3つの評価法がありますが、どれも7段階に異常の状態を分類しています。

たとえばA~Eまでの7段階で分類する国際畜犬連盟では以下のようになっています。
A1・A・B1・B2 : 正常な股関節
C : 軽度の股異形成
D : 中等度の股異形成
E : 重度の股異形成
このような分類方法となり、他の2つの方法でもさほど基準は変わりません。
原因としてはいくつかあり、生活環境によってもなるおそれがありますので、それは飼い主の責任となります。

・遺伝
股関節形成不全の7割は遺伝が関係していると思われ、血統書にも股関節形成不全の項目はあり、専門機関によりチェックし、遺伝を受け継いでいるかどうか記載します。

・成長に伴う負担
大型犬のゴールデンレトリバーやジャーマンシェパードなどがなりやすく、これは成長と共に急激に体重が増加するために、股関節にも荷重がかかるためにです。

・生活環境
犬は生後60日間の間に急激に成長し体重が増えますので、この間にどれぐらい股関節に加重が加わるかで、形成不全になるかどうか傾向があります。
特にこの時期に餌を与えすぎて肥満にする、過度に運動させて負担を増やすなどの行為は形成不全になりやすいです。

もしも股関節形成不全の兆候が見られると、犬は腰を左右に振るように歩く、ウサギ跳びのような不自然な歩き方をする、後ろ足を上手く折りたためない、運動を嫌う、股関節脱臼などの様子を見せます。
このような不自然な様子が見られたら、股関節形成不全を疑い検査させるべきです。

股関節形成不全の治療方法

犬の成長期であれば安静にさせて様子を見る、症状が悪化している場合は手術となります。

・安静療法
犬が成長期にある段階であり、症状が軽度であると診断されると、まずは安静にして様子を見ます。
運動は控えめにして肥満にならないように食事量に気をつけ、股関節が正常に成長するのを待つのです。

・投薬
犬が痛みを感じているようならば、抗炎症薬や鎮痛剤を投与し、痛みをコントロールし、それと同時に運動と食事制限を行い悪化を防ぎます。

・外科治療
運動機能に障害があり、重傷で自然治癒が難しいと判断されたなら、外科手術が行なわれます。
骨盤の骨を切断したり、太ももの骨を切除して人工的に関節を形成、内ももの恥骨筋を切除する方法などがあり、犬の年齢や症状の状態によって手術方法は決定されます。
股関節に人工関節を入れる方法などもありますが、これはあまり行なわれることは少ないです。